腹黒王子に秘密を握られました


「そうなんだ! やるなぁ金子」

「いいねぇ、このまま社内恋愛で結婚したら、俺仲人やってもいいか?」

「いや、金子と友野さんの結婚式なら部長が仲人やるって言いだすんじゃないですか?」

「あー、ってか所長とかもしゃしゃり出てきそう」

おい、お前らやめろやめろやめろ。
結婚とかまずありえないから!
部長とか、所長とか、お偉いさんを巻き込むなよ!
その辺まで付き合ってる話がまわると、本当に結婚をせかされそうで、こわすぎるからぁっ!!

「待ってくださいよ。ようやく昨日から付き合いだしたのに、結婚なんて気が早すぎます」

そうだ、金子。お前、珍しくイイこと言った。
はっきり結婚する予定はないと、このバカ共に言ってやれ!!

「俺はすぐにでも結婚したいですけど、あんまりプレッシャーかけて莉央に逃げられると困るんで、ほどほどにしてくださいね」

そう言いながら私の腰に腕を回し、完全無欠の王子様の笑顔を浮かべた金子が、ちゅっと私のこめかみに、形のいい唇を押し当てた。

「ファーーーーーーーーっ!!」

人生二度目のデコチュゥーーーーーっ!!
しかも公衆の面前でぇーーーーーーっ!!

私はパニックのあまり後ろに仰け反って気が遠くなる。

倒れていく私の身体を金子が慌てて抱き寄せると、ちょうどメイクを終えトイレから出て来た相楽さんが、「ぎゃーーーーーっ!!」と鬼の形相で悲鳴を上げるのが聞こえた。



悲鳴を上げたいのは、こっちだっての。

勘弁して、まじで……。





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