腹黒王子に秘密を握られました
「じゃあねー! お姉さんまた遊んでねー!」
母親と手を繋ぎ歩きながら、何度もこちらを振り返ってそう叫ぶ拓斗くんに、きゅんと胸が締め付けられる。
その小さな手の中には、私が描いてあげた昔のアニメの絵があった。
お絵かきの途中でなんとなく描いてあげ絵をすごくよろこんで、持って帰っていい? と大切に折りたたんでいた姿を思い出し、涙が溢れそうになる。
さみしいさみしいさみしい。
なんだこの胸の切なさは、これが母性本能なのか。
両親が商談中、子守という名目で拓斗くんの遊び相手になっていた私は、すっかり彼の虜になっていた。
ショタサイコー!!!
そう叫びたかったけど、大人としての人格を疑われそうなので、ぐっとこらえて歯を食いしばる。