腹黒王子に秘密を握られました
「婚活なんてしないって、私忙しいんだから」
『なにが忙しいのよ。あんたは時間がないんじゃなくて、やる気がないんでしょ。夏休みの宿題も毎回後回しにして最終日に泣きながらやって、終わらなくて学校行きたくないって駄々こねて。ほんとあの頃からちっとも成長してないんだから。まぁ、お母さんは元々あんたに期待してないからね。こっちでちゃんと結婚相手探してるから安心して。こっちの独身の若い男に手当たり次第あんたの写真くばろうと思ってるから、一度帰ってきなさい。写真館で写真撮るわよ。大丈夫、あんた顔だけはお母さんに似てるし、黙ってればなんとかなるから、見合いして本性ばれる前に結婚しちゃえばこっちのもんよ』
「なに勝手なこと言ってんのさ! そっちの男なんて若いって言っても四十過ぎのジジイばっかりじゃん! 見合いなんて絶対イヤ! 私、田舎に帰らないからね!」
『どうしてよ。なんでそんなに東京にこだわるの。不動産の仕事ならこっちにだってあるわよ。農協の不動産課で事務員さんを募集してたから、うちの娘どうですかって話つけといてあげる。大丈夫、お母さんこう見えても顔が広いんだから安心してこっちに帰ってきなさい』
「お母さん、ここで残念なお知らせです。来春から大好きなアニメの第二期の放送が決定したので、娘は意地でも東京から離れません。婚活する暇もありません」