腹黒王子に秘密を握られました
言い返せず顔を歪めた私に、金子は笑いながら「俺のことは気にしないで電話、でろよ」と言ってきた。
「いいです。イヤです」
電話といえど、こいつに親子の会話を聞かれたくない。
「ふーん?」
なんてニヤニヤしながら取り出したのは、あのUSB。
金子は無言のまま、私の目の前で左右に振って見せる。
人の弱みを、この紋所が目に入らぬか的に使うのやめろよもうっ!!
くっそ、こいつ本当性格悪いな!!
「出ればいいんですね!?」
「わかってんじゃん」
やけくそでスマホを持ち直した私を見て、金子は勝ち誇ったように笑う。
「もしもし」
『あ、莉央? あんた本当全然連絡もよこさないでなにしてんの? たまにはこっちに帰って来て顔を見せなさいよ。どうせ彼氏も作らないで部屋に籠って漫画ばっかり読んでるんでしょ。あんたも三十近いんだから、そろそろ真面目に結婚相手でも探したらどう? 婚活っていうの、はやってるんでしょ? 婚活パーティーとか、テレビでよくやってるじゃない』
私の〝もしもし〟のたった四文字に対して、何倍もの一方的な言葉が投げつけられ、頭がくらりとする。