運命の出会いって信じますか?
「そうよ。」
お姉ちゃんは返事をする。
「凄いな。そこまでしてお姉さんを手に入れたかったなんて。」
英輔は目を丸くする。
「それ程の価値のある女性だからね。」
柏木さんはお姉ちゃんを見る。
部長の言いなりにならなかった事が嬉しいんだろう。
柏木さんはずっと温かな笑みをたたえている。
「相田部長は出来た人だよ。やっぱり思った通り、陽さんは相田部長にとって大切な人だったんだな。」
柏木さんはしみじみとつぶやく。
「ちゃんと今までの事にありがとうと伝えて帰ろうとしたら、名刺を出されたの。」
お姉ちゃんは鞄から名刺を出す。
「俺と一緒の会社には居づらいだろうから、ここへ転職したらどうかって。中堅の証券会社なんだけど、これから絶対伸びる会社だからって。」