運命の出会いって信じますか?
「英輔君、華を大事にしてね。」

お姉ちゃんがらしくない事を言う。

「別に大事にしてもらわなくても良いよ。そばに居てくれるだけで良い。」

私はボソボソと英輔だけに聞こえるように言った。

英輔には本当に聞こえていなかったみたいで、反応はなかった。

私達はその後時間を忘れて、しゃべっていた。

そのほとんどはお姉ちゃんと私で、柏木さんと英輔は楽しそうにそばで飲んでいた。

「さあ、そろそろお開きにしようか。」

柏木さんが言った。

お姉ちゃんと私が席を外しているうちに、会計が終わったようだ。

居酒屋の外に出る。

「さあ、陽さんを送って行くよ。」

家事が出来ないお姉ちゃんは一度一人暮らしを始めたが、また実家に舞い戻っていた。

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