運命の出会いって信じますか?

「柏木さん、お久しぶりです。」

生都くんの声は礼儀正しかった。

「一体どういう関係なの?」

一人だけこの状況がつかめないお姉ちゃん。

「彼は相田生都くん。相田部長の息子さんだ。」

お姉ちゃんがハッと息を飲む。

「生都くん、一緒に居た人が野々村陽の妹だって知っていたのかい?」

生都くんがうなずいたようだ。

私は思わず身体を起こそうとした。

お姉ちゃんが慌てて私を助けてくれた。

「柏木さん、ちゃんと彼から聞いているから。」

私は会話に割って入った。

「華、どういう事なの?」

お姉ちゃんの不安気な表情が私に向けられた。
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