運命の出会いって信じますか?
生都くんは黙ったままだった。
「でもそんなのは言い訳よね。」
珍しくシュンとしたお姉ちゃんは可哀そうなぐらいだった。
「良いんです。俺も親父の気持ちは分かるから…。」
相田部長は妻子が居ながらお姉ちゃんを好きになった。
生都くんは婚約者がいる私を好きになった。
条件は違うかもしれないけど、それはかなわない思いだ。
そして生都くんは私を見た。
「今日はありがとう。本当に楽しかった。」
そしてそのまま部屋から出て行った。
「生都くん!」
思わず私は彼の名を呼んだ。
振り返る生都くん。
「例え英輔より早く生都くんと知り合っていても、例え一緒に8年間過ごしたとしても…、私は英輔を選んでいたと思う。早い遅いや長い短いじゃないと思う。やっぱり運命の出会いってあるのよ。」