運命の出会いって信じますか？

「もう配達に来ることはないと思うけど、お元気で。」

そして生都くんはもう一度英輔に頭を下げた。

「今まで配達ありがとう。生都くんに運命の出会いがありますように。」

生都くんと私は微笑み合った。

彼の姿が見えなくなるまで、私は目でずっと見送った。

彼とこんな風に知り合ったのも運命なのかもしれない。

でも、正直もっと違う形で出会いたかったな。

英輔とは違った魅力を持った生都くん。

「俺が居ない間、あいつに揺らいでいたのか？」

そんな英輔の言葉に、私は我に返る。

「そんな感じじゃないんだけど…。でも英輔以外の男の人に告白されて、少しドキドキした。」

正直に零れ落ちた私の気持ち。

英輔が私の後ろから抱きしめてきた。