運命の出会いって信じますか?
32歳で本社の営業課長補佐をしている英輔はやはり同期の中では出世頭だ。

そんな英輔と事務としてコンビを組んでいた私もそれなりに場数を踏んできている。

「私はずっと真先のそばに居たいんだけどな。」

私にはあまり仕事に復帰する気がない。

毎日家事と真先の育児に追われて、この状態で仕事に復帰する事が少し怖い。

私はそういう出来る女ではない事を自覚している。

「俺は華と真先と3人で出社したいんだけどな。」

呑気な事を言う英輔は一旦真先を下ろした。

「華、ちょっと充電。」

英輔は私に手を伸ばし、私を抱き寄せた。

結婚前に気持ちを確かめ合って以来、英輔は言葉や態度でこうやって私を包み込む。

「華。」

英輔と優しくキスを交わす。

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