運命の出会いって信じますか?

「じゃあ、重いだろう。俺が抱くよ。」

英輔に真先を渡すと、私は真先の顔を見る。

「真先、偉かったね。」

私は真先の頭を撫でる。

「真先も初めての体験だったもんな。そりゃ、疲れるよな。ところで華の方はどうだった?」

英輔が私に視線を移した。

「うん、まずは自分なりに会社が揃えてくれた書類のデータ化するだけだから、気が楽かな。」

「そうか、無理はするなよ。」

「英輔がどう塚田部長に私の事を話したか分からないけど、ハードルが高くなっているような気がするわ。」

私のそんな愚痴に、英輔は声を出して笑う。

「ありのまま話しただけだぞ。でもこうやって親子3人での帰宅も幸せだな。明日からは朝の出勤だけになりそうだけど。」

いつもの英輔の帰宅時間からすると、今日は随分早い。
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