運命の出会いって信じますか?
バツが悪そうにお姉ちゃんが私を睨む。
「英輔もいろいろ手伝ってくれるけど、お兄さんはそれ以上みたいね。」
そんな私の言葉に、お姉ちゃんは言い返す。
「でも仕事面ではだいぶ貢献していると思うよ。証券会社に居た時の知識はかなり役立っていると思う。」
そんな様子のお姉ちゃんにお母さんは私を見た。
「正仁さんと陽は性別が逆だったかもしれないってよく思うわ。」
手を動かしながら、私達3人はガヤガヤと思い思いに話をした。
私も普段は英輔の妻、真先の母だが、今はすっかり一人の娘に戻ってしまっている。
真先と明佳に昼食のうどんを食べさせる。
初めは大人しく口を開けていた二人だが、真先の手づかみが始まった。
「真先、長いのは大変だから、こっちの短いのから食べて。」
あたふたしている私を明佳はきょとんと見ていた。
そしてお姉ちゃんににんまりと笑うと、明佳も真先と同じようにうどんを手で掴み始めた。