運命の出会いって信じますか?
お義父さんが私に声を掛けた。

真先はお義母さんの膝の上に抱えられている。

「私達も英輔の死を何年かかってもちゃんと受け入れるから…、お願いだ、華さんもこの現実をきちんと受け止めて欲しい。そしてそれまではここに来ないでほしい。悲しい事だがこれは私と母さんで話し合って決めた事なんだ。」

私は思っていなかった事を言われて、お義父さんとお義母さんの顔を交互に見る。

「もちろん英輔の忘れ形見の真先をそばに置きたい。でもそれは私達夫婦にとってとてもつらい事なんだ。それに華さんは若い。その気になれば再婚だって出来るだろう。」

横でお義母さんが真先を抱きながら、涙をこらえているのが分かる。

「華さん、きっと英輔もあなたを思い出に縛ってしまいたくないと思っていると思う。だから…、大変だと思うけれど、真先と現実を生きて行ってほしい。」

英輔のご両親に突き放されてしまったと私は思った。

「すいません、予定通り名古屋ではなくそのまま東京に戻っていたら、あの飛行機には英輔は乗らなかったのに…。」

私はやっとお義父さんの言葉で英輔の死が自分の中に入ってきたような気がした。

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