運命の出会いって信じますか?
「やっと涙を見せたわね…。」

お義母さんは自分もとめどなくあふれてくる自分の涙をぬぐいながら、私にそう言った。

その様子を真先が不思議そうに見上げている。

「華さんを責めているわけではないんだよ。これは英輔の決まっていた寿命だったんだ。それより現実を受け入れられていない華さんが心配だったんだ。困ったことが出来たら、何でも言ってくれたらいい。私達は遠くからあなたと真先を見守っているから。」

私の目からは今まで泣けなかった分なのか、次から次へと涙があふれる。

ついに私は声を上げて、子供のように泣き始めた。

英輔の名を何度も呼びながら。

散々泣き明かして、それがおさまるまでお義父さんとお義母さんはずっと私を見守ってくれた。

「華さん、英輔と結婚して真先を産んでくれてありがとう。」

お義父さんのそんな言葉に、私はやっと今の状態を受け止める事が出来たような気がする。

翌朝、私は笑って真先と岐阜を後にした。

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