運命の出会いって信じますか?
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妊娠も無事6か月を迎え、すでに安定期に入った。

会社の方も順調で、新しく出来た契約検査課の主任になった私はやっと仕事を軌道に乗せた。

これで数か月の間、私が抜けてもここは回っていくだろう。

優秀な若い女性社員3人を部下とした私はホッとしていた。

この課が出来てすぐに歓迎会というか結束会を開いた時、私はこの3人には私のこれまでの事をすべて話した。

恐らく出産を迎える私はたくさんの迷惑をこの3人に掛けてしまうだろうから。

「やっぱりご主人の事は本当だったんですね。噂は聞いたんですけど。」

東北支社から異動してきた3年目の鳥越さん。

名古屋支社にも東京本社にも縁がなかったせいか、英輔の事は知らなかった。

「すごく優秀な人だったのよ。30歳で東京本社の営業課長補佐になったんだから。」

東京本社の別の部署から異動してきた山本さんは5年目。

「でも日下さんもここに来てからこんなに早くこの仕事を形にするとは思ってなかったわ。」

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