運命の出会いって信じますか?
そして先生は生都くんを見て微笑んだ。

「日下さんのご主人に、本当によく似ている。」

私に抱かれ、すやすやと眠っている赤ちゃん。

英輔に赤ちゃんを一目会わせてあげたかったな。

英輔の面影を感じる赤ちゃんはずしりと重い。

「英輔…。」

私は思わず赤ちゃんに頬ずりをする。

「生都くん、3人を頼むわね。」

先生が出て行った。

「生都くん、抱いてやってよ。」

私がそう言うと、生都くんは照れたような表情をした。

「実は産まれてすぐに抱かしてもらったのは俺なんだ。華さんの手術中に入れてもらって、お腹から出てきた赤ちゃんを受け取ったんだ。」

私は生都くんを見上げる。

真先がまだ私の腕にいる赤ちゃんの顔を覗き込んでいる。
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