運命の出会いって信じますか?
「うん、なーも一緒。」

でも真先の様子は寂しそう。

私は心配そうに真先を見つめる。

「そりゃ、いつも一緒にいるお母さんと別に夜を過ごすんだ。真先だって不安だろう。でも俺だって真先と二人きりは少し心許ない。俺だって同じ家に華さんが居ないのは寂しい。」

生都くんがそう言った時、ドアがノックされた。

「あら、生都くんはまだいたのね。さっき日下さんのご両親が挨拶して帰られたから、一緒に帰ったかと思ったわ。日下さん、赤ちゃんを連れてきたんだけど。」

先生は新乳児用のベッドを引っ張りながらやって来た。

「僕の赤ちゃんだよ。」

真先が笑う。

私は生都くんにベッドの背を上げてもらうと、先生は赤ちゃんを私に抱かせた。

「あっ…。」

「驚くほど似ているでしょ?真先くんが産まれた時にも…。」

< 455 / 478 >

この作品をシェア

pagetop