恋の魔法と甘い罠Ⅱ




いつの間にか終業時間を迎え、次々と退社していく人の背中を見送る。



「玲夢ちゃん、帰らないの?」


「え、あ、はい。もう少し……」



本当はもうやることもないし、すぐに帰れる。


でも……。



「じゃああたし、お先するね」


「はい、お疲れ様でした」



この時間に帰ると、きっと彼女と一緒にいる晴希さんを見かけてしまう。


何をやっているかはわからないけれど、この経理課からエレベーターの間にある小会議室で、毎日のように二人で何か作業をしているのだ。


それを見たくなくて、仕事があるふりをして残っている。


たぶん30分もあればいなくなると思う。


だからそれまでは。
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