恋の魔法と甘い罠Ⅱ
手をつけ始めた仕事に夢中になっていたせいか、いつの間にか一時間経っていて。


慌てて帰る準備をする。


といっても、慌てたからって誰も待っている訳じゃないんだけれど。


と思いながら、何だか虚しくなって一人苦笑する。


小会議室に誰もいないのを見てほっとしながらエレベーターに乗り込んだ。


チンっと音を立てて止まったエレベーターを降りると、いつもとは違った光景が広がっている。


パラパラとしかいない人を眺めながら、定時で帰る人が多いんだなーと改めて感じる。


私も本当は定時で帰りたいんだけどな、なんて思いながら深い溜め息を吐いた。


と同時に、「玲夢?」という声がホールに響き渡る。


人が少ない分、わずかにエコーがかっているその声に振り返る。



「え……っと」



誰?
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