恋の魔法と甘い罠Ⅱ
◇
「さ、帰ろうか」
涙がようやくおさまると、朔はあたしの答えを聞くことなく歩き出した。
でも「何で泣いてたんだよ?」なんて訊かれても困るし、こうやって何も訊かずにいてくれることがちょっと嬉しかった。
帰り道で朔と話したことと言えば、本当にいつもと変わらないほどにたわいのないものばかりで。
いつの間にか着いていたあたしのアパートの前で、
「じゃあまたな」
これもまたいつも通りにそう言って朔は帰っていった。
全く触れてこなすぎて、もしかしてあの出来事は夢だった? なんて思ってしまうほどで。
けれど微かに感じる胸の痛みは、じゅくじゅくと化膿してしまうのではないかというほどに、生々しく残っていて。
やっぱり現実だったんだと気づかされた。
「さ、帰ろうか」
涙がようやくおさまると、朔はあたしの答えを聞くことなく歩き出した。
でも「何で泣いてたんだよ?」なんて訊かれても困るし、こうやって何も訊かずにいてくれることがちょっと嬉しかった。
帰り道で朔と話したことと言えば、本当にいつもと変わらないほどにたわいのないものばかりで。
いつの間にか着いていたあたしのアパートの前で、
「じゃあまたな」
これもまたいつも通りにそう言って朔は帰っていった。
全く触れてこなすぎて、もしかしてあの出来事は夢だった? なんて思ってしまうほどで。
けれど微かに感じる胸の痛みは、じゅくじゅくと化膿してしまうのではないかというほどに、生々しく残っていて。
やっぱり現実だったんだと気づかされた。