恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「何泣きそうになってんの?」


「……朔……」



頑張って堪えていたのに、泣きそうなことが即バレてしまい……。


そのまま近づいてきてふわりと髪を撫でられて、そのあたたかさに堪えていたものがぶわっと溢れだしてしまった。



「ここじゃ目立つから移動しようか」



突然泣き出したあたしに、朔は慌てることなく、肩にそっと手を添えてあたしを誘導するように歩き出す。


足を止めたのはロビーにある大きな柱の陰。


ここなら、かくれんぼしている鬼が探そうとしていれば見つけてしまうだろうけれど、ただ通りすがっていく人には死角になる場所だから見つかることはないと思う。
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