恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「鮎川」



振り返るとそこにいたのは、会社帰りだろうか。


会社内で見かけるときと同じスーツ姿の榊課長がいて。



「課長? 今帰りですか?」


「ん、まあ。鮎川も……だろ?」


「え?」



確かにあたしもアパートに一度帰ったとはいえ、中に入ることなくここに来たのだから会社帰り? と訊かれればそうなるのだろう。



「同じバスに乗ってたんだけど、鮎川は気づかなかったみたいだな」


「そうなんですか?」



でもそっか。


課長はこの辺に住んでいるんだった。


課長の家を訪ねた帰りに、『FLOWER RAIN』と出会ったんだもんね。
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