恋の魔法と甘い罠Ⅱ
◇
先に課長が帰ったあと、あたしはカウンター席に移動した。
混んできたからってのもあったけれど、一人でいたくなくてここに来たから、たまに凪さんが声をかけてくれるカウンター席にいた方が色々考えなくて済むと思った。
でも忙しくなってきたこの時間に凪さんが声をかけてくれることなんてほとんどなくて。
アルコールにばかり手が伸びてしまいそうだったから、カシスオレンジを飲み終えたら帰ることにした。
「玲夢ちゃん、何かあった?」
「え?」
「凄く思い詰めたような顔をしてるから」
「……」
今日はほとんど話していないのに気づかれていたらしい。
先に課長が帰ったあと、あたしはカウンター席に移動した。
混んできたからってのもあったけれど、一人でいたくなくてここに来たから、たまに凪さんが声をかけてくれるカウンター席にいた方が色々考えなくて済むと思った。
でも忙しくなってきたこの時間に凪さんが声をかけてくれることなんてほとんどなくて。
アルコールにばかり手が伸びてしまいそうだったから、カシスオレンジを飲み終えたら帰ることにした。
「玲夢ちゃん、何かあった?」
「え?」
「凄く思い詰めたような顔をしてるから」
「……」
今日はほとんど話していないのに気づかれていたらしい。