恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「そ、そうだけどっ! ……そんなこと、彼女以外にしちゃだめだよ」



そう言うあたしに朔はむっと唇を尖らせる。



「しょうがねーだろ? 俺が今彼女にしたい女は、玲夢だけなんだからさ」


「……」


「本当は、ここにしたいんだけど」


「え?」


「ここに、キス」



そう言いながら朔は親指であたしの唇をなぞるように触れてきた。


慌てて身を引いて離れたけれど、その仕草に背中の辺りにぞくりとした感覚が走る。



「もう、帰る!」


「……帰んの?」


「うん」



流される……とは思っていないけれど、それでもこれ以上朔と一緒にいたら朔の思惑にハマってしまいそうな気がして。
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