恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「はえーよ!」



ぼそりと呟いたあたしの声を書き消すような声が後ろから飛んでくる。


振り返るとそこにいたのは、息を切らしている朔で。


追いつかれたくなくて早足で歩いていたのに。


スマホを見つめながら足を止めている間に、いつの間にか追いついたらしい。



「先に行くなって」


「一人になりたかったんだもん」


「嘘つき」


「え」


「本当は、余計なこと考えちまうから一人になりたくねーんだろ?」


「……」



朔にはあたしの心を読まれているらしい。


でもここで頷くわけにはいかない。



「本当に、一人になりたかったんだもん。だから、ここでいいよ」
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