恋の魔法と甘い罠Ⅱ
そう言うあたしに小さく溜め息をついた朔は、大股であたしに近づいて手首を掴んできた。



「な、何!?」


「こんな時間にひとりで帰せるわけねーじゃん。とりあえず送られとけ」



そのまま強引に手を引かれながら歩き始めたけれど、こうやって一人にならずにすんだのはすごく心強くて。


色々モヤモヤと考えてしまう時間が少しでも減ったことにほっと息をつく。



「あ、そうだ」



突然足を止めた朔はあたしの手首を掴んでいない左手をあたしに差し出してきた。



「え、何?」


「手ぇ出して」



言われるがままに空いている右手を出す。


そしたら掌に握らされたもの。
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