恋の魔法と甘い罠Ⅱ
その流れに乗るようにあたしも晴希さんにぎゅっとしがみつく。



「玲夢?」


「……たい」


「ん?」


「キス、したい」



ぼそりと呟くようにこぼした言葉に、晴希さんは小さく息を吐く。


そしてあたしの髪に顔を埋めるように身を屈めてきた晴希さんに、こんなところでキスなんて求めたからきっと呆れているんだと、言ってから後悔する。



「ごめん。もう帰るね」



そう言って目の前の胸に手を添えてそっと押す。


けれど、晴希さんから少しも離れることはなくて。



「晴希さん?」



晴希さんの顔を覗き込むように顔を上げると、晴希さんはまた溜め息を吐く。
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