恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「どうせこのあと洗うからいい」


「そうだけど」


「あー、よかった」



あたしの肩に顔を埋めて大きく息を吐き出したあとにこぼした言葉は、心底ほっとしたと言っているもので。



「ごめんなさい」



それだけ心配させてしまったんだと思うと、凄く申し訳ない気持ちになる。



「泣きながら風呂に入ってくから、なんかもやもやして見にきたんだよ」



晴希さんの心配はわかるけれど。



「あたし、溺れてた訳じゃないからね」


「は?」


「わざとお湯に潜ってたんだからね」


「……」



あたしの言葉にぴたっと動きを止めた晴希さんは、一瞬の間をおいてからぱっとあたしを引き離した。
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