恋の魔法と甘い罠Ⅱ
二人で飲みに行ったことは本当によくなかったと思ってる。


でもあのとき、朔が強引に飲みに誘ってくれたから、あたしはそんなに落ち込まずに済んだ。


辛い中でも晴希さんのことを待っていられた。


だから、そんな風に言わないで欲しい。


そんなことを考えている間に、この非常階段にも予鈴が鳴り響く。


このビルに入っている会社は全てお昼の時間だけは同じだから、昼休憩の予鈴と本鈴はこのロビーにも鳴ることになっている。



「あたし、もう戻らなきゃ!」



あたしが非常階段のドアノブに手をかけたと同時に、反対の手首を掴んできた晴希さん。



「見てたのか?」


「え?」
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