恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「何だよ? 駅でのことって。ここに直行って」



眉を寄せながら不機嫌そうにそう言う晴希さんを見て、そういえば晴希さんにはこのことを言っていなかったんだと思った。



「何のことだよ?」



早く言えと言わんばかりの瞳を向けられて、視線をそらしながら口を開く。



「ゴールデンウィーク明けの出張のとき、あたし、晴希さんを駅に迎えに行ったの」


「は?」


「けど、晴希さんは……」



石崎さんと寄り添いながら歩いていた。


あたしにはその光景が辛すぎて、真っ直ぐにここに来てしまったんだ。
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