恋の魔法と甘い罠Ⅱ
けれど、ここから見えるのは海だけで。


目を凝らしてみれば、少し先に島があってそれに架かる橋も見える。


けれど灯りなんてほとんどなくて。


今視界にくっきりと入っているのは、空で瞬いている星と月だけ。


空気も深呼吸を繰り返したくなるくらいに澄んでいる。



「本当に綺麗だね」



空を眺めていると、感嘆の溜め息しか出ない。


たったこれだけのことが物凄く癒される。


そんなあたしに晴希さんは囁くように声をかけてくる。



「玲夢、こっち見て」


「え、何?」



そう言いながらゆっくり振り返ると、晴希さんは顔を傾けて、そのまま唇を重ねてきた。


予想外の行動に、思わず目を見開いてしまう。


そんなあたしに晴希さんはぷっと吹き出した。
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