恋の魔法と甘い罠Ⅱ
「玲夢? どうした?」


「え……あ、ちょっと逆上せたみたい」


「そうだよな、こんなとこでヤったら逆上せるよな」



相変わらず晴希さんは意地悪そうな笑みを浮かべながらそう言うけれど、いつものようにそれに反応することができなくて。



「そろそろ時間やばくない?」


「ん? ああ、そうだな」



視線をそらしながら離れたあたしに、戸惑うような表情を見せた晴希さんだけれど、時間を見て晴希さんも焦ったらしく、慌てて温泉から出て浴衣を着た。



「暑い……」



部屋に戻りながらも、芯から熱くなってしまった身体を冷やすように掌を団扇代わりにしてパタパタと扇いでみるけれど、全然冷めてはくれない。
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