恋の魔法と甘い罠Ⅱ
そして温泉の中で晴希さんから出張のことを告げられてからは、あたしの脳内には常に『晴希さんが石崎さんと泊まりで出張かもしれない』という言葉がぐるぐると回っていて。
晴希さんから声をかけられてもどこか曖昧にしか言葉を返せなくて。
楽しいはずの温泉をちっとも楽しめなくなってしまった。
いつもはプライベートでも仕事の話をしてもいいのに、と思っていたけれど、今日ばかりは、
何で今そんな話をしたの?
としか思えなくて。
我儘な自分に溜め息が出る。
そして晴希さんにも心配されるほど落ち込んでしまっていたけれど、やっぱりはっきりと訊くこともできないあたしは、
「眠くなっちゃった」
と一言だけ残して、すぐに布団に入ってしまった。
晴希さんから声をかけられてもどこか曖昧にしか言葉を返せなくて。
楽しいはずの温泉をちっとも楽しめなくなってしまった。
いつもはプライベートでも仕事の話をしてもいいのに、と思っていたけれど、今日ばかりは、
何で今そんな話をしたの?
としか思えなくて。
我儘な自分に溜め息が出る。
そして晴希さんにも心配されるほど落ち込んでしまっていたけれど、やっぱりはっきりと訊くこともできないあたしは、
「眠くなっちゃった」
と一言だけ残して、すぐに布団に入ってしまった。