恋の魔法と甘い罠Ⅱ
この不安を打ち明けようと顔を上げたとき、



「あ」


「あ」



お互いに声を上げる。



「久しぶり」


「うん」



目が合った人に声をかけられたけれど、できればその姿を確認したくはなかった。


だって彼がいるってことは、晴希さんと石崎さんが二人で出張に行っている可能性がほぼ100%になってしまうからだ。



「元気?」


「うん、鷹山くんは?」


「ん、俺も元気だよ。まあでも、毎日主任に扱き使われてるけどな」



ははは、と笑いながらそう言う鷹山くんは、扱き使われているわりにはとても楽しそうで。



「嬉しそうに見えるけど」


「は!? んなことねーし! まあ、今日は出張でいねーからな」
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