恋の魔法と甘い罠Ⅱ




「玲夢(リム)ちゃん、お昼行こう」


「あ、はい」



お昼のチャイムが鳴ったことにも気づかずにぼーっと目の前の画面を眺めていたら、後ろから悠亜さんに声をかけられて、慌ててパソコンの電源を落とす。



「大丈夫?」



社食に向かって歩いていると、隣を歩く悠亜さんが顔を覗き込みながら声をかけてきた。



「え」



あたしがぼーっとしていることに気づいていたらしい。



「朝から元気ないよね?」



そんなにわかりやすく顔に出ているのかな。



「何かあったのなら聞くよ?」



やさしくそんなことを言われてしまったら、不安でしょうがなかった思いが一気に溢れだしてきて、目頭がじわりじわりと熱くなってくる。



「悠亜さん……」
< 77 / 491 >

この作品をシェア

pagetop