Engage Blues





「わ、たしも……慶さんが欲しいです」


 顔は見れなかった。
 圧迫された胸から心臓の鼓動が伝わりそうで、すでにどうにかなりそう。

 抱きついたまま、慶さんが動きやすいように少しだけ足を広げると、


「あぁッ!」


 一気に中を貫かれた。

 経験したことのない衝撃に、目の前で火花が弾ける。


「あ……はぁ、んッ」


 慶さんを感じた直後に口を塞がれる。
 中を舌で掻き回され、吸いつかれた。


 その度に身体中、じくじくと熱が疼く。


 慶さんは動かない。
 わたしが慣れるまで待っていてくれたようだ。
 身動ぎひとつせず、深い口づけを繰り返す。


 だんだん、もどかしくなってきて、触れられたところが熱くなる。


 落ちてくる溜め息には、震えも混じっていた。



「ずっと、こうしたかった……」



 こぼれた呟きに、胸がぎゅっと締めつけられた。


 前から、この日を望んでいてくれたのだ。

 求めていてくれると知って、繋がった場所を強く意識する。熱くて、痛いくらいに。





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