強引上司とオタク女子



「またヨーグルト食べんのか? そんな好きなの?」


会議スペースでコンビニ弁当を広げる私に、国島さんが不思議そうに言う。


「好きですね」


御影石くんがね。


「ふうん。じゃあ、俺のもやろうか」

「えっ」


確かに、国島さんのコンビニ袋にも入っている。
でも欲しいのはその上ぶただけでいいんだよね。いい加減、ヨーグルトも食べ飽きてはいるし。


「いやいや、いいですよ」

「そう?」


でも上ふたは欲しい。
ヨーグルトを睨みながらしばし考える。

閃いた! 
ここはしおらしく、最後片付けますよとかなんとか言って、奪えばいいじゃーん


「……お前って」


思わず彼の存在を忘れて無言で食べてたら、目の前の国島さんが苦笑する。


「ホント俺の事眼中にねぇのな」

「何なんですか、昨日から。国島さんだって私のことなんて眼中になかったでしょう」

「昨日の昼までな。でも今はある」

「振られたからって純真な乙女を弄ぼうとしないでください」

「純真な乙女ならもうコロッと落ちる頃だろ。どっちか言ったらお前は疑り深いいけず女だ」


カチーン。
なんなのそれ、女の子に言うセリフじゃないし。


「喧嘩売ってんですか」


睨み返すと、国島さんはますますニヤニヤ笑う。


「そのくらい肝っ玉デケェし、ハキハキしてんのにさ。なんで川野は恋愛に関してはネガティブになるわけ?」


予想外の返しに、思わず動きが止まってしまう。
失礼なことと余計なことを言われた気がするけど、怒ってもいいものだろうか。

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