強引上司とオタク女子
「普通、社内恋愛は隠さない……ですか?」
「隠したってバレないか? どう気をつけたところで俺はお前に構うと思うし」
そんなの堂々と公言されても困ります。
「頑張って構わないようにしてくださいよ」
「でも気になるから見ちゃうしな。同じ職場にいたら口も挟みたくなるだろ」
いやいや、そこは我慢しろよ。
関係ない時まで口挟まれたくないわ、私は。
「私みたいな雑務担当は放っておいてください」
「じゃあ、放っておけるようにしっかり仕事頑張るんだな」
くそー、ぐうの音も出ない。
もうなんと言って説得したらいいか分からず、ふてくされてそっぽを向いたら、車道を挟んだ向かい側のとおりに、梨本さんが山田さんと歩いているのを見かけた。
チラリチラリとこちらを向いて、何やら話している。
なーんか嫌な感じ。
「……しようぜ?」
「はあ」
二人が気になって生返事をする私に、国島さんがニッコリと笑いかける。
「決まりな。行きたいところ考えておけよ」
「え? は?」
話が分からない。
瞬きして彼を見つめると、「どこ行きたい」と爽やかに微笑まれた。
「もしかして、……デートですか?」
「さっきっからそう言ってんだろ。話聞いてる?」
いや。すみません。
全く聞いていませんでした。