強引上司とオタク女子
デートか……。
漫画とかだと映画とか行くよねー。後はあれか、定番ディズニーとか。
……ぶっちゃけ、疲れるところは行きたくないんだよな、普段の仕事で疲れてるし。
映画ならアニメ映画がいいんだけど、それって夏休みとか冬休みに公開するから今じゃないんだよねぇ。
でもまあ、初めて体験するデートってやつくらい定番で攻めるべきなのかしら。
でも一番行きたいところは本当は、先週末オープンしたという、新規設備満載の漫喫。なんとアニメキャラと写れるプリクラとかがあるんだってよ。
……って言ったら引かれるだろうしなぁ。
「いいよ」
「へっ」
「声に出てたぞ? 漫喫な。行ったことねーわ」
「は、でも。そんなところに付き合わせるのは失礼かと」
一応、遠慮くらいしておこう。
「いいよ。八重と行くならどこでもいいし」
サラリと人の心臓を止めるような事を言った彼は、会社が見えてくるとスイッチが入ったように背筋を伸ばした。
「部長が前にいるから挨拶してくる。先行くな」
……すぐに切替ができるあなたは何者なんですか。
私はやっぱりビギナーだ。
緩んでしまった顔がなかなか戻せない。