柚と柊の秘密







しばらく家にいるという賢一おじさんに、優二君はドラムのことを質問しまくっていた。

質問攻めにあった賢一おじさんは嫌な顔を一つせず、優二君に手取り足取り教えている。

そして……お父さんは優弥おじさんから電話がかかってきたとリビングへ行ってしまった。

こんな様子だから、あたしたちは結局自主練をすることになる。





賢一おじさんとやたら盛り上がっている優二君。

こんな優二君を見ると、うちに連れてきて良かったなぁなんて思えた。

そして、もっと頑張らないといけないと思う。

楽しい仲間たちと、楽しい練習。

あとは坊主にならなきゃ言うこと無し!





こんなことを考えていた。

考えながら弾いていた。

だから気付かなかったんだ。

部屋の中がいつの間にか静かになっていたことに。

みんながあたしを見ていることに。





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