柚と柊の秘密






こんな中、最後のメンバー、慎也君が入ってくる。

優二君は隠し事はいけないと、あたしの秘密を告げたが……






「なんだ、そんなことか」




慎也君は笑っていて。

拍子抜けしてしまった。




「柊でも柚さんでもいいじゃん。

今まで一緒に頑張ってきた僕たちの仲間なんだしさ」




その言葉に胸がじーんとする。

おまけに




「……ていうか、優二、そんなことで怒って、キャパ狭いよね」




なんて言いだして。

そして、




「柚の苦労も考えろ」




健吾君からも攻撃される。





言われっぱなしの優二君には申し訳ないけど、すごく嬉しいよ。

これで、正々堂々と頑張れる。

四人の間には秘密はない!

……秘密、ないの?

ううん、あったよ。

あたしは……ーーーー健吾君が好き。








「気を取り直して円陣しよう!」




優二君が手を出し、その上に手を重ねる。

あたしの手の上に、健吾君の手が乗って……

身体が熱くなる。

ドキドキが止まらないのは、ライブ前だから、だけではない。






みんな、本当にありがとう。

あたしを受け入れてくれて、ありがとう!

あたし、頑張るね!!




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