柚と柊の秘密




俺は乱暴に机を蹴飛ばし、椅子に座る。




その瞬間……



びしょ……



冷たい嫌な感触を感じた。





「!?」




思わず椅子を触る。

すると、俺の手は真っ青に染まっていて。

手だけじゃない。

俺が着ている柚の制服にも、鮮やかな青色の模様が出来ていた。

悪質にもほどがある。





「浅井……」




唸る俺。

こんな俺の耳に、ヒソヒソ声や小さな笑い声が聞こえる。





周りを見回して、やっと気付いた。

俺をぐるっと囲って円が出来ていて。

昨日まで好意的だったクラスの奴らが、軽蔑と嘲笑の目で俺を見ている。

俺、浅井をなめてたんだな。

奴、一日で俺をいじめのターゲットに仕上げた。

戸崎柊は超人気者だったけど……

今の俺は、超嫌われ者。





「だせー」




遠くから声が聞こえる。

俺は声のするほうを睨む。

だけど、誰が言ったのかも分からず。

ただ、冷ややかな視線を浴びた。

だせーのはそっちだよ。



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