その瞳をわたしに向けて
ううっ迷う………お腹は結構空いている。和食のメニューは私の好きなものばかり
カレイの煮付けにあじのフライ、味噌サバや鱚の天ぷら………
肉じゃが、筑前煮、かぼちゃの煮付け、小松菜と豚肉のカラシあえ………
カウンターの前に盛られた煮物たちはどれも美味しそうで
「………どれも食べたい」
「遅いっ、一番最初に食べたいと思ったものにしろよ、でなきゃ勝手に頼むぞっ」
「あっ待ってじゃあ味噌サバ定食に小松菜と油揚げのめんつゆ煮浸しをつけてください。」
急いでそう注文したら、小さく笑う松田が聞いてきた
「何と迷ってたんだ?俺がお前の食べたいもの頼んでやるから」
「…………あじのフライ定食に揚げなすの桜えび風味も食べたい。」
松田はまたクックッと笑ったまま女将さんに美月のいった通りの注文をした。
「松田さん、常連なんですか?」
女将さんは『剛平君』なんて呼んでるし、結構頻繁に来てるってことだろう。
「近いし、旨いし、案外と安いからな。」
「ほとんど毎日来てもらってるよね。」
女将さんがニコニコしながらお酒無しならお茶ねっとカウンターにほうじ茶が入った湯飲みを置いた。