その瞳をわたしに向けて


手を伸ばして、その傷を確かめるように松田の頬に触れる

「…………なに?」

伸ばした手を逆に掴まれ、その代わり熱をもった松田の目に捕らえられた


ゆっくり降りてくる松田に目を逸らせないで、そのまま距離が縮まり唇が重なった

いつの間に美月の頭の後ろに手がまわり、髪を掻き分け捕らえられた

「……………っ」

啄むように優しく触れてくる口付けに美月は手で松田の肩を軽く押し出し、小さく抵抗を試みた

抵抗すれば、その肩に重みが増して唇が深く押し塞がれる


「………んふぁ………」


息苦しさに、空気を求めて口を開くと当然のように舌が入ってくる

飛び上がるほどの心臓に頭の中が熱くなる


………やばいっ何これ………


一度、チュッとリップ音を鳴らして唇が離れたかと思うと、口角を変えて深くまた塞がれる

抵抗の手はいつの間にか松田の服を掴み、その舌を受け入れていた

離れていく唇に目を逸らしたが、松田の顔はまだ息のかかるところにあった

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