その瞳をわたしに向けて

傾けていた頭を離し両手で少し胸を押し出して、松田の腕の中から動き出す

……………が、なかなか大きな腕の中から抜け出せない


「あの…………もっもう大丈夫ですから………」

そう言うと、ふっと背中に回った腕から解放されたが、逆に座席のシートに押し返された。

「へっ?!」

さっき眠気から覚めた時の覆い被さった状態に戻った

「……………………」


眼鏡をはずし、松田が美月を見下ろす


「恐くないか?」


そう言うが、暗くて顔が見えなかった時とは違う。
角度も違うせいか、外からの光で逆に松田の整った顔がハッキリ見える


眼鏡がないと、長い睫毛がハッキリと近くで見える、より切れ長で二重で………
確かに見映えがいいや、もてるのも分かる

でも、少し違和感がある目の下の頬が青みがかってて…………

これって、この前私が咄嗟に殴ったとこ?




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