その瞳をわたしに向けて

木曜の午後、定時後から始まる定例会議のため、会議室の用意に駆り出された。


さっきまでミーティングをしていた小会議室とのパーティションを、取り払って大会議室にするため、何人かの若い社員が机を運び込んで、慌ただしくセッティングしていた。


美月も小会議室の片付けに向かうと、そこにはミーティングを終えて、定例会議の準備のため松田がいた。


ミーティングには、理沙も一緒だったらしく、書類を見ながら話し込んでいた。


一瞬躊躇しながらも、二人の前を通り片付けを始める。


「佐伯、悪いがこれを今すぐ訂正箇所打ち直してきてくれ」


「えっ今から? これ自分用でしょ。別にこのまま使っても問題ないじゃない?」

「……いいんだ、説明の時書類覗かれたら訂正箇所わかっちまうだろ」


渋々といった感じで、理沙は書類を持って会議室から出ていった。

松田の後ろでは、3、4人の男性社員たちが机の設定にバタついている。


「…………清宮」


ふいに名前を呼ばれてビクッと小さく肩を上げた。

「そこのホワイトボードも消しといてくれるか?」

机を拭いていた美月は、後ろにあるビッシリ書かれたホワイトボードをみる。

「あっ…はい」

鈴政への誘いも実は何かと理由をつけて最近は行っていない。2度程断ったらその後誘って来なくなった。
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