その瞳をわたしに向けて
次の日はプレゼンテーションのため、当初からの予定で事が進んだ。
田沼茜には、昨日のうちに日本語の対応出来る店をピックアップし、予約を入れてあり、一人でも安全に行けるよう範囲を決めて教えた。
携帯の通訳機能もいれ、もし万が一のときには会社に電話するように言っておいた。
「ここまで来たんだ、思いきってチャレンジしてみろ。他人に頼らなきゃ一日大変だぞ」
そう言っておいたものの、少し不安だったが
その日の夜、田沼社長に食事に誘われて彼女に会った時、幾分自信がついたらしく、今日あった事を自慢するように話してきた。
「すまないね、いきなりの対応であたふたさせてしまって、でも君のお陰で娘も楽しく過ごす事が出来たようだ。ありがとう。」
そう言って頭を下げる田沼社長
「いえこちらこそ、どんな時でも慌てない対処が出来るように、勉強させていただきました。」
松田のその言い様にははっと声をあげた
「茜は、少々甘やかし過ぎてしまって、この歳でなんの取り柄もない娘なので心配でね、この際いい縁談があれば会社ごとのしつけて嫁に行かせてもいいと思っているんだよ。」
「お父さんっそんな話!」
親子喧嘩が起こりそうな雰囲気に松田が口を挟む