その瞳をわたしに向けて
「言っとくが、俺は婚約も結婚もしてないからなっ!あれは………」
『知ってるわ、田沼茜の勘違いでしょ。そんなの調べれば分かるわよ………私が調べた訳じゃないけど』
「はっ………?」
清宮保か……………
「じゃあ、美月も知ってるのか?」
電話の向こうで『はぁっ………』と溜め息をつく声がする
『言う訳ないじゃない』
「は…………っ」
『調べたって、美月が話を聞いてからだいぶ経った後よ……………その間に美月がどれだけ泣いてたと思うのよ』
一瞬、のどがグッと締まる感じがした
『あの子が勝手に貴方の前からいなくなって、確認もしないでそんな結婚話を信じて勘違いしてるんだから、確かに筋違いなんだけどね』
黙ったままの聞いている俺に、彼女はそのまま喋り続けた
『……………あの子の弱いとこ分かるでしょ。人の事ばっかり気にするあの性格。
だから腹が立つのよ。だいたいなにやってる訳?勝手に結婚の話進められたのは、あなたにだって非があるでしょ?』