その瞳をわたしに向けて
酔ってはいないその瞳に、また毒を吐かれると思い、身構えた

「どこへ行くっ?」

「え…………あのシャワー………に」

………………どうしようっ

酔ってない彼の前にいて、怖くて涙が出てきた


「なんで泣くんだ? そんなに俺が嫌いか?」

分からない…………どうなのか
好きなのか嫌いなのか

ふるふると俯いた頭を声を出さずに振った


強く引っ張られ、またベッドに戻され彼の胸の中に顔を埋めた


「美月は大事な妹で、お前は一緒にあいつを大事にしてくれるし、こんな俺を許してくれる。」

許す?

「だから、離れないでほしい。他の男の所に行かないでくれ。」


バッと胸の中にから顔を離して保を見上げる

「…………酔ってないの?記憶は?」

小さい溜め息をついた保が目尻を下げて首を傾ける

「いい加減何年営業やってると思ってるんだ……酒の飲み方くらいセーブ出来てる。記憶無くすなんて、ここ何年もない。」


「……………っ!!」
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