キミに出会うまで
泣きながらロビーを横切る私を、みんなはどんな目で見てるんだろう。


外は凍えるような寒さで、持っていたストールを首にぐるぐる巻いた。


このストール買った日に、森さんと映画みたんだ。


なんだか、遠い昔のようだった。


てっちゃんと出会う前に、森さんと知り合ってれば良かったのに。


あっでも、その頃は森さんには彼女がいたんだ。


『たられば』の想像するなんて、私だいぶ参ってるのかも。





やっぱり、てっちゃんとはきちんと話をしないとダメなんだよね。


部屋には行きづらいから、電話してみることにした。



『もしもし、優花?』


『うん』


『戻ってくる気になった?』


『ううん、もう戻らない。


ただの、会社の先輩と後輩に戻ろう』


『優花は、それでいいわけ?』


『いいよ』


『せっかく、お互い都合のいい関係になれると思ったのに』


『そんな関係、私は望んでないから』


『さみしくなったら、いつでも連絡しろよ』


『さよなら』


『俺は、待ってるからな』



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